前回のブログでは、生活習慣病は「体質と環境の組み合わせ」で考えると分かりやすい、というお話をしました。
今回は、その続きです。
塩分のとりすぎ、喫煙、食べすぎ、ストレスなどは、生活習慣病の原因としてよく知られています。
では、これらはすべての人に、同じように悪い影響を与えるのでしょうか?
多くの人に当てはまることが、あなたにも当てはまるとは限らない
現在の医学では、病気になるリスクをある程度予測することはできます。
しかし、一人ひとりについて、何がどれだけ病気の原因になっているのかを、すべて正確に見極めることはできません。
そこで医学では、多くの人を調べて分かった傾向を、一人ひとりの健康管理にも役立てています。
例えば、喫煙は動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高めることが分かっています。
一方で、長年タバコを吸っていても、大きな病気にならずに長生きする人もいます。
では、その人にはタバコの害がなかったのでしょうか?
そうとは言い切れません。
もともとの体質や、ほかの生活習慣など、さまざまな要因が関係していると考えられます。
つまり、多くの人にとってリスクになることでも、その影響の大きさは人によって異なるのです。
ただし、自分にどれだけ影響があるのかを正確に予測することは難しいため、喫煙のように健康への害が明らかなものは、一般的な予防策として避けることが勧められています。
何でもかんでも我慢すればよいのでしょうか?
生活習慣病と診断されると、
「塩分を減らさなければ」
「もっと運動しなければ」
「食べる量も減らさなければ」
と、あれもこれも一度に変えようとする方がおられます。
もちろん、生活習慣を見直すことは大切です。
でも、頑張りすぎて長続きしなければ、かえって負担になってしまいます。
大切なのは、自分の体の状態に合った対策を、無理なく続けることです。
例えば、血圧が高い方なら、塩分のとりすぎや体重、運動習慣などを見直すことが役立つ場合があります。
血糖値やコレステロールが高い方では、注意すべき点が異なることもあります。
同じ生活習慣病でも、必要な対策は一人ひとり違います。
何を優先して改善するべきか、かかりつけの先生と相談しながら考えていきましょう。
頑張っても数値が改善しないときは?
食事や運動に気をつけているのに、検査値がなかなか改善しない。
そんなとき、
「自分の努力が足りないのだろうか?」
と思ってしまうことがあるかもしれません。
しかし、検査値には体質や年齢、遺伝的な要因なども関係しています。
数値が改善しないからといって、努力が足りないとは限りません。
自分では変えにくい要因が関係していることもあります。
その場合は、生活習慣の改善だけにこだわらず、薬の力を借りることも大切です。
例えば、食事や運動を続けながら、血圧やコレステロールなどの数値を改善するために薬を使う。
そうすれば、無理な我慢を重ねることなく、健康を守れる場合があります。
もちろん、薬を使えば生活習慣を見直さなくてよい、ということではありません。
生活習慣の改善と薬、それぞれの得意なところを生かす。
その人に合った方法を組み合わせることが大切なのです。
「努力が足りない」ではなく、「方法を見直す」
生活習慣病の予防で大切なのは、何もかも我慢することではありません。
自分の体の状態を知り、効果が期待できる対策を選び、無理なく続けることです。
頑張っているのに検査値が改善しないときは、自分を責める前に、対策が合っているかを見直してみましょう。
必要であれば、かかりつけの先生に相談してください。
「病気になってから治す」のではなく、「病気にならないように備える」。
これまでお話ししてきた「未病」という考え方も、そこにつながっています。
皆様がご自身に合った方法で健康を守り、健やかな毎日を過ごされることを願っています。

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