健康と病気の狭間:未病(2)

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高血圧などの生活習慣病で、薬をお勧めすると、

「私の何が悪かったのでしょうか?」

と聞かれることがあります。

とても自然な質問です。

でも、私はこの質問をされると、いつも一瞬、どう答えようか考えてしまいます。

なぜなら、答えは「何かが悪かったから」ではないからです。

そこで、いつも「そもそも……」と長い説明を始めることになります。

今回は、その話をできるだけ簡単にまとめてみます。

そもそも、何かが悪かったのでしょうか?

まず、ここが一番大切です。

生活習慣病と診断されたからといって、

「あなたの何かが悪かった」

ということではありません。

前回のブログで、「未病」という考え方を紹介しました。

生活習慣病の中には、まだ自覚症状がなく、動脈硬化などの大きな病気になる前の段階があります。

この段階では、

「病気になったから治療する」というより、「病気にならないように予防する」

という考え方が大切です。

つまり、薬を飲むことになったからといって、

「何か悪いことをしたから薬を飲む」

ということではありません。

悪くならないように、今のうちから予防している。

そう考えていただきたいのです。

そもそも、体質と環境の組み合わせなのです

もう一つ、大切なことがあります。

生活習慣病は、

「生きていくために必要な体の仕組みが、今の環境では困った方向に働いてしまう」

と考えることもできます。

少し分かりにくいので、ジーンズの話で考えてみましょう。

海外で作られたジーンズを買ったら、裾が長すぎる。

そこで裾上げをすると、

「こんなに生地を切るの?」

と驚くほど切り取ることがあります。

でも、それは私の足が悪いからでも、ジーンズが悪いからでもありません。

私の足の長さと、ジーンズの裾の長さが合っていなかっただけです。

だったら、裾を合わせればいい。

生活習慣病も、少し似ています。

私たちの体には、生きていくためのさまざまな仕組みがあります。

ところが、食べ物が豊富で、体をあまり動かさなくても生活できる現在の環境では、その仕組みがかえって困った方向に働くことがあります。

そのときには、

  • 食事を見直す
  • 運動する
  • 体重を調整する
  • 必要に応じて薬を使う

などして、体と環境のバランスを調整することが大切になります。

薬も、そのための方法の一つです。

そもそも、「悪いもの」は人によって違う?

そして、もう一つ難しい問題があります。

生活習慣病の原因として、

「塩分が多い」
「タバコを吸う」
「食べ過ぎる」
「ストレスが多い」

などがよく言われます。

もちろん、これらが健康に影響することは分かっています。

でも、

「これが悪いから、あなたが病気になった」

と簡単に言えるわけではありません。

同じものを食べても、同じ生活をしても、体への影響は人によって違います。

つまり、

多くの人にとって「悪い」とされることが、その人にとってどの程度影響するのかは、同じではない。

ここが生活習慣病を考える難しいところです。

では、

「塩分はどのくらいならいいの?」
「私は何を気をつければいいの?」

という疑問が出てくると思います。

実は、この「人によって違う」というところが、とても重要なのです。

次回は、

「体に悪いものは、本当にすべての人に悪いのか?」

という少し難しい話を、もう少し分かりやすく考えてみたいと思います。

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