オフサイドで怒る前に知ってほしい。実はあなたの脳も「誤審」しています。
連日、ワールドカップで盛り上がっていますね。
ゴールが決まれば歓声が上がり、「今のオフサイドじゃない?」「いや、絶対セーフ!」と、テレビの前で思わず声を上げた方も多いのではないでしょうか。
今ではVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入で誤審は大きく減りました。しかし、人間の目だけで判定していた時代には、オフサイド判定には人間の脳が起こす「錯覚」が影響することが知られていました。
実は、脳は「未来」を見ています
「錯覚」と聞くと、脳の失敗のように思えるかもしれません。
ところが実際には、その逆なのです。
人間の脳は、目から入った映像を認識するまでに約0.2秒かかると言われています。
もし見えたものをそのまま認識していたら、飛んできたボールを蹴ることも、野球のボールを打つことも、車を安全に運転することも難しくなってしまいます。
そこで脳は、その遅れを補うために、
「このまま進めば、きっとここにいるはずだ」
と未来を予測しながら世界を見ています。
つまり私たちは、「今」を見ているようで、ほんの少し未来を見ているのです。
この優れた能力のおかげで日常生活を送ることができますが、その副作用として、ときどき「誤審」が起こってしまいます。
実は、高血圧も少し似ています
高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、「体がおかしくなった」と思われがちです。
しかし見方を変えると、それらは人類が自然界で生き抜くために身につけた「優秀な仕組み」が、現代社会では裏目に出てしまっている状態とも考えられます。
例えば、
- 血圧を上げる仕組みは、危険から逃げるため。
- 塩分やエネルギーをため込む仕組みは、食べ物が少ない時代を生き抜くため。
どちらも本来は、命を守るための大切な能力でした。
時代が変わると、長所が短所になることも
現代は、飢えることよりも食べ過ぎることが多く、危険から走って逃げるよりも精神的なストレスを受けることが増えています。
そのため、昔は味方だった仕組みが、今では高血圧や糖尿病の原因になってしまうことがあるのです。
錯覚も、高血圧も、本来は私たちを守るために進化したシステム。
そう考えると、人間の体は本当によくできています。
次回は「どう付き合うか」をお話しします
では、この「昔は味方、今は敵になりやすい仕組み」と、私たちはどのように付き合っていけばよいのでしょうか。
次回は、その答えについてお話ししたいと思います。


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