「血圧は、低ければ低いほどいいのでしょうか?」
患者さんから、よく聞かれる質問の一つです。
血圧が高いのは良くない。
でも、低すぎるのも良くない。
そんなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
ところが最近、ちょっと気になる研究結果が発表されました。
血圧を「かなり低く」するとどうなる?
糖尿病などの病気がない高血圧の患者さんを対象に、
「最高血圧を140mmHg未満にする」
グループと、
「最高血圧を120mmHg未満まで下げる」
グループに分けて、その後の経過を比較した研究です。
約9,000人以上が参加し、3年以上にわたって追跡しています。
このように、たくさんの人を対象に、治療方法を無作為に振り分けて比較する研究は、治療の効果を調べるうえで信頼性の高い方法です。
血圧を低くしたほうが、結果が良かった
結果は興味深いものでした。
最高血圧を120mmHg未満を目標にしたグループでは、140mmHg未満を目標にしたグループと比べて、
心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントが少なく、死亡する人も少なかった
のです。
しかも、実際に測定された最高血圧で比べてみると、血圧がより低かった人ほど、心血管イベントが少ない傾向がみられました。
つまり、
「血圧は、ある程度まで低いほうがいい」
という結果だったわけです。
「低すぎる血圧」はどうなの?
ここで気になるのが、
「では、血圧は低ければ低いほどいいの?」
ということです。
例えば、最高血圧が100mmHgを下回ると、
「血圧が低すぎるのでは?」
と心配になる方もいるでしょう。
もちろん、ふらつきや立ちくらみがある、体がだるい、失神してしまう、といった症状がある場合は別です。
血圧の数字だけを見て、「低ければ低いほどいい」と考えるわけにはいきません。
大切なのは「血圧の数字」だけではない
血圧は、数字だけで判断するものではありません。
同じ100mmHgでも、元気に普通の生活をしている人と、立ち上がるたびにふらつく人では意味が違います。
ですから、
「何mmHgなら絶対に大丈夫」
と一律に決めるのは難しいのです。
今回の研究から考えると、
症状がなく、普通に生活できる範囲であれば、血圧はこれまで考えていたより低めのほうが、心筋梗塞や脳卒中を防ぐうえで有利なのかもしれません。
「血圧が低いから心配」と思っていた方も、一度、自分の血圧と体調を一緒に見直してみてはいかがでしょうか。

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